IPCC第5次評価報告書

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解説

気候変動に関するIPCCの最新の科学的知見をまとめた5回目の報告書。2013年9月から2014年4月までに第一部会(自然科学的根拠)から第三部会(気候変動の緩和策)まで個別の報告書が逐次出され、2014年11月に最後の統合報告書が出された。気候システムに対する人間の影響は明瞭であり、近年の人為起源の温室効果ガスの排出量は史上最高となっていること、1950年以降、多くの極端な気候及び気候現象の変化が観測されてきたこと、温室効果ガスの継続的な排出は、更なる温暖化と気候システムすべての要素に長期にわたる変化をもたらし、それにより人々や生態系にとって深刻で広範囲にわたる不可逆的な影響を生じる可能性が高まること、気候変動を抑制する場合には、温室効果ガスの排出を大幅かつ持続的に削減する必要があり、排出削減と適応を合わせて実施することによって、気候変動のリスクが抑制されることとなること等が指摘された。

第三部会では、2100年の二酸化炭素換算濃度別にRCPシナリオも含めた8つのシナリオについて評価が行われている。ベースラインシナリオでは、2100年の二酸化炭素換算濃度が720ppmから1000ppm以上とされ、この場合は気温上昇が、1850年から1900年平均比で4℃未満に留まる可能性がどちらかといえば低いと評価された。また、2℃未満に留まるためには、2050年で2010年比42%~57%減、2100年で73%~107%の排出減が必要であるとされた。(2015年2月作成)

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