ESG投資
[ イーエスジートウシ ]
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったものである。投資の意思決定において、従来型の財務情報だけでなく、ESGも考慮に入れる手法を「ESG投資」と呼ぶ。責任投資(RI: Responsible Investment)、持続可能な投資(SI: Sustainability Investment)などとも呼ばれている。今日、企業の長期的な成長のためには、ESGが示す3つの観点が必要だという考え方が世界的に広まり、他方でESGの観点が薄い企業は、大きなリスクを抱えた企業であり、長期的な成長ができない企業だということを意味する。
ESGと似た概念にSRI(社会的責任投資)という言葉があるが、最近ではESG投資のほうがより使われる傾向にある。非財務情報を考慮するという点でSRIとESG投資は同じであるが、SRIが主に倫理的な価値観の枠組みから始まったのに対して、ESG投資は「環境・社会・ガバナンスを考慮することが長期的な企業価値の最大化に寄与する」といった長期的なリターンを追求するための手法と理解されている。ESG投資の流れを裏付ける活動のひとつが国連責任投資原則(PRI)であり、2017年4月時点で1700を超える年金基金や運用会社などがPRIに署名している。世界最大の年金基金である日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も2015年9月に署名をした。日本政府もESG投資を後押しており、2014年2月に金融庁が発表した「日本版スチュワードシップ・コード」、2015年6月に金融庁と東京証券取引所が発表した「コーポレートガバナンス・コード」は、ともにESG投資の概念を推進する内容である。(2018年3月作成)