高山帯
[ コウザンタイ ]
山地にみられる植物の垂直分布帯のうち、森林限界の上部から一年中氷雪に閉ざされた氷雪帯の下部までの間の部分。高山帯の気温は高緯度のツンドラ付近に相当する。
環境の特徴として、低温・低圧・強風・多雨、晴天時の強い紫外線および変わりやすい天候などがある。動植物の生育や繁殖が可能な期間は限られる。植物の生長は非常に遅く、比較的小型の多年生草本や小低木が多い。動物には低温と低酸素に対する抵抗性がみられる。日本では森林限界の上部にハイマツの低木林が形成されることが多いが、これを高山帯に含めるかどうかには議論がある。温暖化によって高山帯の面積が次第に狭められると、絶滅する種が増えると懸念されている。