食品ロス削減推進法

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解説

食品ロス削減推進法(食品ロスの削減の推進に関する法律)は、2021年5月31日に公布され、同年10月1日から施行された。この法律は、食品ロスの削減に関し、国、地方公共団体等の責務等を明らかにするとともに、基本方針の策定その他食品ロスの削減に関する施策の基本となる事項を定めること等により、食品ロスの削減を総合的に推進することを目的としている。食品リサイクル法が食品関連事業者(製造、流通、外食等)による食品 循環資源の再生利用等を促進することに対し、消費者を含むすべての食品ロス関係者を対象とする点に違いがある。

日本では、まだ食べることができる食品が、生産、製造、販売、消費等の各段階において日常的に廃棄され、大量の食品ロスが発生している。食品ロスの問題については、2015年に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」において言及されるなど、その削減が国際的にも重要な課題となっており、また、世界には栄養不足の状態にある人々が多数存在する中で、とりわけ、大量の食料を輸入し、食料の多くを輸入に依存している日本として、真摯に取り組むべき課題である。

この法律は、国、地方公共団体、事業者、消費者等の多様な主体が連携し、国民運動として食品ロスの削減を推進することを目的とし、基本方針の策定、食品ロス削減推進会議の設立その他食品ロスの削減に関する施策の基本となる事項を定めるとともに、以下のような施策を行うこととしている。

1. 消費者、事業者等に対する教育・学習の振興、知識の普及・啓発等
※必要量に応じた食品の販売・購入、販売・購入をした食品を無駄にしないための取組等、消費者と事業者との連携協力による食品ロスの削減の重要性についての理解を深めるための啓発を含む。

2. 食品関連事業者等の取組に対する支援

3. 食品ロスの削減に関し顕著な功績がある者に対する表彰

4. 食品ロスの実態調査、食品ロスの効果的な削減方法等に関する調査研究

5. 食品ロスの削減についての先進的な取組等の情報の収集・提供

6. フードバンク活動の支援、フードバンク活動のための食品の提供等に伴って生ずる責任の在り方に 関する調査・検討
(2022年3月作成)

詳細解説

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