雑木林

[ ゾウキバヤシ ]

解説

かつては、用材にならない雑多な木からなる林の意味で用いた。広葉樹などの二次林で、薪炭林、農用林などとして使われてきたものが多く、里地、里山の中心的存在。

暖温帯ではシイ類、カシ類、冷温帯ではコナラ、ミズナラ、クヌギ、アカマツなどがおもな構成種である。暖温帯では照葉樹林が伐採されてコナラ、アカマツなどに置き換わっていることもある。数十年に一度、薪炭材として伐採されるなど、人間の管理により維持されてきた林なので、放置されるとササ類の侵入・繁茂などが起こり、やがて自然植生の構成種に置き換わってゆく。その過程で、雑木林に特有な動植物種が消失することもある。現在、環境保全上の価値および歴史的・文化的価値が見直されつつある。「新・生物多様性国家戦略」(2002年3月政府決定)では「里地里山の保全と持続可能な利用」の中で雑木林を含む里地里山の重要性が述べられている。

詳細解説

EICネット 環境用語集