除染
[ ジョセン ]
放射性物質により土壌や草木、工作物等が汚染された場合に、汚染された土壌、落葉及び落枝、水路等に堆積した汚泥等の除去や汚染の拡散の防止その他の措置を講じること。福島第一原発事故により生じた広域にわたる環境汚染については、被災者の生活を取り戻し、いち早い復興を進めるためにも、放射性物質による環境汚染が人の健康又は生活環境に及ぼす影響を速やかにかつ着実に低減することが大きな課題となった。こうした状況を踏まえ、2011年8月に「平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」(放射性物質汚染対処特措法)が制定され、除染について国あるいは地方自治体が事故を起こした東京電力に代わって行うこと、地域を指定し除染実施計画を策定して除染を計画的に実施すること、必要な負担は国が財政上の措置を講じた後に東京電力に求償することなどが規定された。特措法に基づき、国が直轄で除染を行う「除染特別地域」に福島県の11市町村が、地方自治体が除染に向け必要な調査を行う「汚染状況重点調査区域」に8県の102市町村がそれぞれ指定され、計画策定や除染の取組みが進められている。