閾値

[ イキチ ]

解説

毒性学では、一般の毒物にはそれ以下の用量では毒性が発現しない最小量があると考えられており、この最小量のことを閾値と呼ぶ。このことは、逆に汚染物質に暴露されても人や生物に影響をあらわさないレベルがあることを意味する。こうした考えに基づいて、環境分野では有害汚染物質に対して環境基準が設定される。また、本用語が動物実験における最小作用量(LOEL)とほぼ同じ意味で使われる場合がある。

なお、閾値はもともと生理学の用語で、刺激によって感覚受容器の細胞は静止状態から興奮状態へ反応するが、その刺激を引き起こすのに必要な最小の刺激の強さを意味する。そして今日ではもっと広範な分野においてこの用語が用いられており、ある系に注目する反応を起こさせるのに必要な作用の最小値の意味で使われる。

詳細解説

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