里地里山
[ サトチサトヤマ ]
里地里山の定義は必ずしも明確ではないが、環境省では「都市域と原生的自然との中間に位置し、様々な人間の働きかけを通じて環境が形成されてきた地域であり、集落をとりまく二次林と、それらと混在する農地、ため池、草原等で構成される地域概念」と定義している。この定義によれば、二次林の面積は約800万ha、農地等の面積は約700万haで、里地里山は国土の4割程度を占めることになる。一般的に、主に二次林を里山、それに農地等を含めた地域を里地と呼ぶ場合が多いが、これらの全てを含む概念として里地里山と言われることが多い。
里地里山は、農林業など人と自然の長年の相互作用を通じて形成された自然環境であり、多様な生物の生息環境として、また、地域特有の景観や伝統文化の基盤としても重要な地域であるが、過疎化や高齢化などにより人為の働きかけが減少し、景観の荒廃や里山特有の動植物の衰退など生物多様性の劣化が進行しており、保全・再生が急務となっている。