酸性雨

[ サンセイウ ]

解説

酸性雨とは、化石燃料などの燃焼で生じる硫黄酸化物や窒素酸化物などが大気中で反応して生じる硫酸や硝酸などを取り込んで生じると考えられるpHの低い雨・霧・雪などの(湿性沈着)及びガスやエアロゾルの形態で沈着するもの(乾性沈着)の総称。雨滴以外の霧や雪などを強調する場合に「酸性霧」「酸性雪」などと特定して称することもあるが、代名詞的に「酸性雨」もしくは「酸性降下物」と呼ばれることが多い。

なお、中性の水はpH7.0を示すが、大気中の二酸化炭素が炭酸イオンとして雨水に飽和状態になった時にpH5.6を示すため、「pH5.6以下の酸性の雨」と定義されることもある。しかし、火山性の酸性物質や海洋地域における海塩粒子の溶解など自然発生源の影響によって、pHのバックグラウンド値は地域によりさまざまな値を示し、ときに5.6より低く、5前後になることもある。むしろ人為的な影響によってpHが酸性側にシフトする現象を指す概念と言える。

詳細解説

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