遺伝資源
[ イデンシゲン ]
人間にとっての遺伝子の潜在的な有用性に着目して使われる言葉。遺伝子資源(Gene Resource)と表記されることもある。
さまざまな生物の遺伝資源は、独自の機能を持つものが多く、医学や生物工学などに応用すれば人間に有用となるものも含まれている。
生物多様性条約では生物多様性保全の一環として遺伝的多様性保全の重要性が指摘されており、近年は、長い進化過程の末に残されてきた生物の遺伝資源は、それ自体が貴重であり、人間にとっての有用性に関わらず保護を図るべきと考えられるようになってきた。
栽培植物の原種保護、家畜などの系統保護をはじめ、野生生物の地域個体群保護などは、こうした遺伝資源保護の観点からも重要な課題といえる。(2015年8月改訂)