西表石垣国立公園
[ イリオモテイシガキコクリツコウエン ]
日本の南西端、沖縄県の八重山諸島のうち、西表島と石垣島を中心に周辺の島々や広大なサンゴ礁の海域からなる国立公園。沖縄の日本復帰と同時に「西表国立公園」として指定された(1972年)後、石垣島の亜熱帯林やサンゴ礁海域を編入して「西表石垣国立公園」と改称された(2007年)。その後、波照間島などの編入や海域公園地区の拡充が行われ、2016年には西表島の公園区域が全島に拡張されるなど、亜熱帯照葉樹林とサンゴ礁海域の保全強化が順次図られてきた国立公園である。
西表島や石垣島の河口域や内湾にはマングローブ林が広がり、周辺海域には大規模なサンゴ礁が発達する。特に、石垣島と西表島の間に広がる海域は石西礁湖と呼ばれ、隆起サンゴ礁の島々やサンゴ礁の多い海域として知られている。また、西表島の亜熱帯照葉樹林にはイリオモテヤマネコなど多くの固有種が集中して生息するほか、カンムリワシやヤエヤマセマルハコガメなど八重山諸島を分布北限とする種も多く生息している。エコツーリズムを目的として訪れる人が多い。
西表島は奄美沖縄にまたがる世界自然遺産候補地に含まれている。(2017年3月改訂)