自然再生
[ シゼンサイセイ ]
一般には、文字通り「自然を再生すること」を意味する概念。しかし、「自然の再生」が、自然の復元力に負って成り立つことや、どういう状態の「自然」が「再生された」姿なのかなど、厳密に捉えようとすると曖昧な点も残る。
自然再生という概念は、欧米では、自然に対する人間活動の働きかけや関与を総括的に表す概念として定義されることがある。改変・改良や、創造、修復、強化、(狭義の)再生(=Regeneration)などを含み、「開発(改変や創造)」と「(広義の)再生」が同一線上の活動にあり、ただ目標が異なるという位置づけで、対立する概念ではないとする。その一方で、保護や保全は人間活動という切り口からは、「再生」とは異なる概念であるとする定義。
これに対して、日本の自然再生推進法(2002)では、保全や維持管理を含めたより広範囲な定義としている一方で、目的を「過去に損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すこと」と限定している点が特徴的である。