自然保護教育
[ シゼンホゴキョウイク ]
自然保護に対する一般市民の関心を高め、自然のしくみに関する知識と技術を普及し、市民意識の変革によって自然保護問題を解決することを目的とした教育。
日本では、1950年代の戦後復興のための大規模な国土開発に対して、自然保護運動の必要性と同時に自然保護教育の必要性が意識されはじめた。当時は、自然観察会などを通じて自然の仕組みやフィールドマナーを中心とした自然保護思想の普及という性格が強く、自然教育と同義に用いられる傾向があったが、1970年代半ば以降、自然保護運動を体験した人びとが中心になって、環境保全やまちづくり、社会や行政のしくみを考えることこそ自然保護教育だと提起するようになった。行政や学校教育の関係者からは、運動であって教育ではないとの批判もされてきたが、1991年に当時の文部省が発行した『環境教育指導資料』の中では、その必要性が明記されている。