脱プラスチック
[ ダツプラスチック ]
プラスチックは、加工しやすいなどのメリットがあり、大量に使用されてきたが、ごみ処理上の問題などから使用量の削減と適正処理が大きな課題になっていた。2010年代後半以降、マイクロプラスチック化した海洋プラスチック等による汚染問題が大きな政治的な課題となり、2019年のプラスチック資源循環戦略の策定等、急速に脱プラスチックに向けた取り組みが国内外で進められるようになっている。
国際社会では、1992年の地球サミットで「持続可能な消費と生産(SCP)」が大きな課題であることが認識され、2012年のリオ+20で「持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)」が採択された。2015年に採択された持続可能な開発目標(SDGs)ではゴール12として「持続可能な消費と生産形態を確保する」としている。2010年代後半には、海洋プラスチックの問題が世界的な課題として大きく取り上げられるようになり、2022年の第5回国連環境総会再開会合では、プラスチック対策のための世界的枠組み(条約)策定に向けた国際交渉を開始することが合意された。
日本では、主としてプラスチックごみ対策という観点から、1990年代に容器包装リサイクル法が制定され、廃プラスチックのリサイクルが進められたほか、2019年5月には、「3R+Renewable」(3Rの徹底と再生可能資源への代替)を基本原則とした「プラスチック資源循環戦略」が策定された。この戦略では、(1)2030年までにワンウェイプラスチックを累積25%排出抑制するよう目指す、(2)2025年までにプラスチック製容器包装・製品のデザインを技術的に分別が容易かつリユース可能又はリサイクル可能なものとすることを目指す、(3)2030年までにプラスチック製容器包装の6割をリユース・リサイクルするよう目指す等、6つのマイルストーンを設定している。
さらに、2021年6月には、プラスチック使用製品の設計からプラスチック使用製品廃棄物の処理まで、プラスチックのライフサイクルに関わるあらゆる主体におけるプラスチックの資源循環の取組を促進するための措置を盛り込んだ「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が成立し、2022年4月から施行される。(2022年3月作成)