生態系管理
[ セイタイケイカンリ ]
単に希少な生物種を個別に保護するのではなく、生息(生育)環境全体(生態系)を保全すること。日本語では「生態系管理」。
最近では特に、生態学に基づく地域固有の生態系特性に留意した管理、生物多様性の存続と回復、自然資源の持続可能な利用を促進するような管理などをさすことが多い。
保全生物学や保護地域管理政策の分野では、特定の種保護を主要目標とする「種アプローチ」(Species Approach) に対する生態系の保全を目標とする「生態系アプローチ」(「エコシステム・アプローチ(Ecosystem Approach)」)や、多様な利害関係者(stakeholder)なども参加した幅広い選択肢のもとでの生態系の順応的な管理(「順応的管理」または「アダプティブ・マネジメント(Adoptive Management)」)などにこの手法が導入されている。特にエコシステム・アプローチの原則は、生物多様性条約第5回締約国会議(2000年ナイロビ)においても決議採択された。