生息域外保全

[ セイソクイキガイホゼン ]

解説

本来の生息地では存続できない生物の種、あるいは個体群(遺伝的なグループ)など生物多様性の構成要素を、動物園・植物園など自然の生息地の外において人工増殖を図り、本来の生息地を再生した上で野生回復を図ろうとする方法(保護増殖事業)。

本来の生息地の中での保全を図る「生息域内保全」を優先するが、その補完的措置として取られる手段で、生物の種、あるいは個体群を保全する際の代償的手段ともいえる(生物多様性条約第9条)。

野生回復には生息地の復元が必須条件となるが、そのためには長期的かつ多方面にわたる検討と計画が求められる。このような野生回復は生態系の回復の象徴としてとりあげられることが多い。佐渡のトキを野生に戻そうとする活動などはこの典型的な例である。

人工増殖のために、遺伝子情報としてDNA情報のみの保存、あるいは受精卵の冷凍保存などの手段(遺伝子銀行、ジーンバンク)がとられることもある。

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