生分解性プラスチック

[ セイブンカイセイプラスチック ]

解説

廃棄後、土中のバクテリアによって水と炭酸ガスに分解されるプラスチック。生物資源(バイオマス)由来のものとして、サトウキビ、米、小麦、サツマイモ、トウモロコシなどを原料にする「バイオプラスチック(バイオマスプラスチック)」の他、石油由来の石油合成プラスチックもある。なお、生分解性を有しないバイオプラスチックもある。

特徴としては以下のことが考えられる。(1)分解で生じる水と炭酸ガスは植物の生育に寄与するため、特に生物資源由来の生分解性プラスチックは資源循環型の原料となる。(2)堆肥化(コンポスト)が可能である。(3)燃やしても有毒ガスが発生しない。燃焼温度も低く焼却炉を痛めない。(4)環境ホルモンとなることがない。(5)燃焼時の二酸化炭素発生は紙や木と同じで温暖化対策に資する。(6)農業振興になり計画生産が可能である。

廃棄された非生分解性のプラスチックが、海洋に流れ着いてマイクロプラスチック(直径5mm以下のプラスチック粒子または断片)となって海洋生態系に及ぼす影響が懸念されている。生分解性プラスチックの中でも海での分解性を有するものは限られており、国際標準化機構(ISO)による海での生分解性プラスチック規格づくりなど、海洋生分解性プラスチックに対する開発や研究が進めらている。(2019年5月作成・2021年6月修正)

詳細解説

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