特定外来生物

[ トクテイガイライセイブツ ]

解説

外来生物(移入種)のうち、特に人の健康、生態系等への被害が認められるものとして、外来生物法(2004)によって規定された生物。生きているものに限られ、卵・種子・器官などを含む。

同法で規定する「特定外来生物」は、海外から導入された外来生物(及びその生物との交雑により生じた生物を含む)に焦点を絞り(つまり「国内由来の外来生物」は含まない)、日本にもともとあった生態系、人の生命や健康、農林水産業に被害を及ぼし、又は及ぼすおそれがあるものとして政令により定められる(種単位での指定だけでなく、科指定や属指定もある)。2005年6月に第一次指定が発表され、アライグマ、タイワンリスなどを含む1科4属32種の37種類の指定で規制が開始し、2016年10月1日現在では2科15属108種7交雑種の132種類にまで指定が拡充している。

特定外来生物に指定されると、ペットも含めて飼育、栽培、保管又は運搬、譲渡、輸入、野外への放出などが禁止され、これに違反すると3年以下の懲役、または300万円以下の罰金(法人の場合には1億円以下の罰金)が課せられる。また、国は必要に応じて被害防止のために特定外来生物の防除を行う。ブラックバス(オオクチバス)など、特定外来生物への指定について論争があったものもある。

なお同法では、特定外来生物の他、影響の実態がよくわかっていない「未判定外来生物」、特定外来生物などと見た目上の判別が難しい「種類名証明書の添付が必要な生物」について定め、規制や証明書の添付を必要としている。

環境省及び農林水産省では2015年3月に、生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種を整理した「生態系被害防止外来種リスト」を作成するとともに、2020年までの国の行動目標等を定めた「外来種被害防止行動計画」を策定している。特定外来生物に指定されていない種も含めて、特に生態系等対して大きな被害を及ぼす外来生物は、侵略的外来生物と呼ばれる。(2017年9月改訂)

詳細解説

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