熱帯林の減少

[ ネッタイリンノゲンショウ ]

解説

赤道付近の高温で雨の多い熱帯地域、特に東南アジア、アフリカ、アマゾン流域などの途上国に広がる森林である熱帯林が減少している現象。世界の森林減少の97%近くは熱帯で占められており、年間減少面積は、2001年の670万ヘクタールから2023年には1,210万ヘクタールへと、ほぼ倍増している。減少面積が特に大きいのはブラジルとインドネシアの熱帯林である。

消滅の原因は、農地等への転用、商業伐採、過放牧、薪炭材の過剰採取、非伝統的な焼畑等が指摘されている。これらの傾向を強める主な原因は、発展途上国の人口急増や貧困であるが、先進国の木材輸入もその一因となっている。最近では、植物油脂消費増加に伴うアブラヤシのプランテーション拡大などでも熱帯林が伐採されている。特にインドネシアとマレーシアではこれによる減少が著しい。アマゾンでは、牧草地やダイズ耕作地への転換などのための伐採も拡大している。また、これらの土地転換に伴う森林火災も各地で頻発している。

熱帯林は生物多様性の宝庫で、全世界の生物種の半数以上が生息していると推測され、熱帯林の減少は生物多様性の減少を招くものとして地球環境問題の重要な課題の一つともなっている。こうした意味で、単に面積の減少のみならず、様々な森林の質の変化を含めて「熱帯林の劣化」と評価することもある。さらに、泥炭湿地林の農場やプランテーションのための開墾などによる泥炭地の破壊と森林火災では、温室効果ガスの放出による気候変動への影響も懸念されている。(2026年5月修正)

詳細解説

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