炭素隔離

[ タンソカクリ ]

解説

炭素隔離は、二酸化炭素の大気中への排出を抑制する手段のことで、生物学的なものと地質学的なものがある。

生物学的隔離は、植物が光合成により二酸化炭素を吸収し、木または他の植物素材としてセルロースやリグニンの形で炭素を貯める結果である。一般に、森林を生み育てる新規植林や再植林のプロジェクトのことを指すが、森林の破壊・劣化が大気中二酸化炭素濃度の上昇の一因ともなっていることから、森林の保全も含めて積極的に評価しようという考え方が出てきている(REDD参照のこと)。

一方、地質学的隔離は一般に炭素回収貯留(CCS)プロジェクトのことを指す。具体的には、発電所などにおいて化石燃料の燃焼で発生した二酸化炭素を回収、輸送し、もともと化石燃料が存在した地質学的構造(油井など)に貯留すること。

なお、貯留に関しては、地下の帯水層、油井などへガスを注入・隔離する方法(地中隔離法)のほか、海洋に溶存状態で貯留する、または液体状態で深海の海底に貯留する方法(海洋隔離法)、さらに無機炭酸塩の鉱物として固定する方法もある。(2014年2月改訂)

詳細解説

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