災害廃棄物
[ サイガイハイキブツ ]
地震や台風、水害などの自然災害によって発生する廃棄物のこと。具体的な内容としては、倒壊した家屋の廃材や廃コンクリート、家屋が押しつぶした家電や家具、流された自動車の他、腐敗した食料品なども含む。
環境省は、「震災廃棄物対策指針」「水害廃棄物対策指針」などのガイドラインを策定し、いずれも市町村(一部事務組合を含む)の処理責任を定めている。ただ、大災害により大量の災害廃棄物が発生した場合、被災地の自治体だけで処理することは難しく、また多大な処理費用が必要となるため、災害等廃棄物処理事業費補助金等の予算を措置して支援をしている。
2011年3月11日の東日本大震災では、大量の災害廃棄物が発生した。環境省の推計では、宮城、岩手、福島の東北3県における災害廃棄物の総量を約2490万トンと発表(4/5)。これは、1995年1月17日の阪神・淡路大震災で発生した約1450万トンの1.7倍に上る(当時、その処理には約3年間を要した)。さらに、青森県と茨城県を加えた5県の災害廃棄物は2700万トンを超えると推計されている。環境省は、災害廃棄物の処理3箇年計画を立て、業界団体や全国市町村などに協力を要請、リサイクル法などの特例措置や有害物質の作業指針などを公布して、実情に即した対応をとるとしている。