湖沼
[ コショウ ]
湖、沼、沼沢、ため池など陸上に自然発生的に、また、人工的に水が滞留しているもの。雨水や湧水あるいは河川の流入によって水量が保たれている。
湖沼は上水など各種利水の水源として使われるばかりでなく、水質浄化、生態系の保持、地下水涵養、気候調節など様々な環境機能を有するが、閉鎖性の水域であり、汚濁物質が蓄積しやすいため、河川や海域に比して環境基準の達成状況が悪い。また富栄養化に伴い、各種の利水障害が生じている。このような湖沼水質汚濁の要因は、湖沼の集水域で営まれる諸産業の事業活動から人々の日常生活に至るまで多岐にわたっている。湖沼の水質汚濁の原因となる汚れの発生源は、大きく分けて家庭からの生活排水などの「生活系」と、工場や事業場からの排水などの「産業系」、田畑や家畜からの排水などの「農畜産系」、降雨に伴う市街地や山林からの出水などの「自然系」の4つに分類できる。
湖沼の水質保全のためには、従来からの水質汚濁防止法(1970)による規制のみでは十分でない為、湖沼水質保全特別措置法(略称:湖沼法)が制定され(1984年)、水質の汚濁の改善が緊要な湖沼を対象として、各種の対策が講じられるようになった。