海洋プラスチック憲章
[ カイヨウプラスチックケンショウ ]
2018年6月にカナダで開催されたG7(主要7カ国首脳会議)で採択された、プラスチックゴミによる海洋汚染問題への各国の対策を促す文書。
憲章の内容は以下の通りである。
(1)持続可能なデザイン、生産およびリユース市場:2030年までに、100%のプラスチックがリユース、リサイクルまた他に有効な選択肢がない場合は回収可能となるよう産業界と協力するなど。
回収、管理などのシステムおよびインフラ:2030年までに、プラスチック包装の少なくとも55%をリサイクルおよびリユースし、2040年までにすべてのプラスチックを産業界および中央政府、地方自治体の協力のもと100%回収するなど。
(3)持続可能なライフスタイルおよび教育:プラスチックが海洋に侵入するのを防ぐ市場ベースの手段などの対策を強化し、包装を含め、プラスチックに関し、持続可能な意思決定を消費者が行えるようにするための表示基準を強化するなど。
(4)研究、イノベーション、新技術:現在のプラスチック消費を評価し、主要セクターで使用されるプラスチック消費の予測分析を行うと同時に、不必要な使用を特定し、その廃止を促進するなど。
(5)沿岸および海岸線でのアクション:人々の意識を高め、データを収集し、世界の海岸や海岸線からゴミを取り除くため、青少年や関係者と協力して、G7諸国の海洋ゴミについてのキャンペーンを推進するなど。
これらを通じて経済におけるプラスチックに関して資源効率の高いライフサイクル管理型アプローチを実現することを目指している。
なお、G7において、日本はアメリカとともに同憲章への署名を見送ったことは、国内外で大きな話題になった。日本の理由としては、「プラスチックゴミを減らしていく趣旨には当然、賛成しているが、国内法が整備されておらず、社会にどの程度影響を与えるかが現段階ではわからないので署名できなかった」としている。(2019年5月作成)