沈黙の春

[ チンモクノハル ]

解説

1962年に出版されたレイチェル・カーソンの著書のこと。日本訳は、1964年に『生と死の妙薬』のタイトルで単行本として出されたが、1974年『沈黙の春』というタイトルで新潮文庫に収められ、それ以来日本でも多くの読者に親しまれている。

農薬や殺虫剤等の化学物質が大量に使用された時に自然の生態系はどうなるのか、生物そして人間はどうなるのか問いかけた警告の書である。また同時に、人間が自然環境とどのように共生していくべきなのかを考えさせるものとなっている。

本書が取り上げた残留性の高い有機塩素系農薬や、急性毒性の強い有機リン系農薬のほとんどは今日では使用禁止になっているが、本書に書かれたワシの生殖能力の異常は今日の環境ホルモンの問題につながるものであり、今日でも意味のある著書といえる。

詳細解説

EICネット 環境用語集