気候非常事態宣言
[ キコウヒジョウジタイセンゲン ]
気候非常事態宣言とは、国や、自治体、学校、団体といった組織が、気候変動が異常な状態であることを認める宣言を行うと同時に、気候変動を緩和するための政策立案、計画、キャンペーンなどの対応を積極的に打ち出すことによって、市民や事業者などの関心を高め、気候変動への行動を加速させるもの。
世界で最初に宣言を出したのはオーストラリア・デアビン市。草の根活動家が政治家に個別に働きかけを行い、2016年に議決にこぎつけた。その後、欧米に拡大し、特に2016年に熱波で93人が死亡したカナダのケベック州では300以上もの自治体がこの宣言に参加した。
世界の気候非常事態宣言のデータを収集、公表しているオーストラリアの民間組織「CEDAMIA(セダミア)」によると、2021年5月18日時点で、議会や政府で承認する手続きが終わり、国レベルで非常事態宣言をしたのは15カ国と欧州連合(EU)。地方議会や自治体レベルの宣言も含めると、2千近くにのぼり、国レベルか自治体のいずれかで宣言があるのは34カ国・地域という。日本でも2020年11月に衆参両院が宣言を採択したほか、多数の自治体、学会・研究機関、企業が宣言を発出している。
なお、環境省では気候非常事態宣言を含む「地方公共団体における2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明の状況」を取りまとめて公表している。(2021年6月作成)