気候中立
[ キコウチュウリツ ]
気候中立とは、人、企業、団体などが、日常生活や製造工程などの活動により排出する温室効果ガスを、その吸収量やその他の削減量を差し引いて総排出量を算出し、実質(ネット)ゼロにするという取り組み。温室効果ガスの排出量をゼロにすることが難しい分野や活動においては、残りの排出分を代替措置やその他の活動で削減・吸収することにより相殺することで、その排出量の全てを実質(ネット)ゼロにすることを目指す。
「カーボンニュートラル(炭素中立)」と「クライメイト・ニュートラル(気候中立)」はほぼ同義であるが、その違いは二酸化炭素などのカーボンに焦点をあてる「カーボンニュートラル」に対し、「クライメイト・ニュートラル(気候中立)」は、二酸化炭素だけでなく、メタンや一酸化窒素(N2O)など、すべての温室効果ガスを対象とする。
欧州連合(EU)は、2019年12月に「欧州グリーンディール」を公表し、2050年までに、EUが世界で初めて「気候中立な大陸(Climate-neutral Continent)」になるという目標を掲げている。また日本でも2020年10月に「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを首相が国会で表明している。(2021年6月作成)