残留農薬

[ ザンリュウノウヤク ]

解説

農畜産物に付着・吸収・蓄積された農薬や動物用医薬品、飼料添加物など(及びその代謝物質)のこと。

人や家畜に被害を与えるおそれのある農薬は、「農薬取締法」によりその使用が厳しく制限されているだけでなく、同時に、「食品衛生法」によって「農薬の残留基準」(食品中の残留農薬の許容される基準)が定められてきた。しかし、こうしたネガティブリスト制度(原則として規制がない状態で、規制するものをリスト化)による規制では、食品衛生法に基づく残留基準が定められていない農薬等を含む食品が流通する危険性が生じ、食品の安全確保が不十分であると指摘されてきた。こうした背景を受け、1995年の食品衛生法改正の際に残留農薬の規制に関するポジティブリスト制度(原則規制または禁止された状態で、使用の認められるものについてリスト化)の導入の検討に関する付帯決議がなされ、03年5月の改正において「改正法の公布後3年以内の制度導入」が定められ、06年5月より施行している。残留基準が設定されていない農薬等については一律基準(0.01ppm)が適用される。

施行当時に残留基準が設定されていたのは農薬205品目、動物医薬品等33品目にとどまり、国内で使用が認められてきた農薬等も網羅していなかった。制度移行に伴う食品流通の混乱・妨げを回避するため、国際基準であるCODEXや農薬登録保留基準、諸外国の基準等を参考にした暫定基準の設定が行われた。

詳細解説

EICネット 環境用語集