植物遺伝資源条約
[ ショクブツイデンシゲンジョウヤク ]
2001年の国連食糧農業機関(FAO)総会で採択された国際条約。生物多様性条約の枠組みに沿って、植物遺伝資源の取得促進、植物遺伝資源の保全と持続可能な利用、利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分によって、持続的農業と食料安全保障を図ることを目的として、国際ルールなどを定めている。
日本は、2013年10月28日に加入しており、2020年2月1日現在、150か国及び欧州連合(EU)が締結している。
条約による国際ルールには、遺伝資源移転契約(Material Transfer Agreement:MTA)など多国間の標準統一ルール(多国間システム)がある。これにより、商業用と研究用のそれぞれの食料・農業植物遺伝資源へのアクセスと利益配分の取り扱いを定めるなど、遺伝資源の保全と持続的利用の促進を図ることとしている。
なお、生物多様性条約及び名古屋議定書が、全ての遺伝資源を対象として一般的なルールを定めているのに対し、本条約は、食料安全保障等の観点に基づいて選定された植物遺伝資源を対象として特別な取扱を定めるものであり、生物多様性条約に対する特別法として位置付けられる。(名古屋議定書第4条第4項の規定により名古屋議定書の適用対象とはならない。)(2024年3月改定)