森林火災
[ シンリンカサイ ]
いわゆる山火事のこと。従来から、オーストラリアなどの乾燥地を中心に世界中で自然発火やタバコの不始末などによる森林火災が起きているが、最近では熱帯林の大面積消失による生物多様性の喪失と地球温暖化への影響が問題になっている。たとえばインドネシアでは、周期的に訪れる異常乾季に伴って大規模森林火災が発生してきたが、特に1997-98年にかけてスマトラ、カリマンタンで、国際援助機関などの推計で数百万haにのぼる森林が焼失し、オランウータンなどへの影響も懸念されている。この大規模森林火災の要因としては、エルニーニョ現象による異常乾季に加え、アブラヤシなどのプランテーションの造成や産業造林などのための火入れが原因ともいわれている。さらに、火災から発生した煙霧(hazeヘイズ)がシンガポールやマレーシアなどの近隣諸国にまで及び、広範囲で気管支炎など健康被害や道路交通障害、空港閉鎖などの煙害までも引き起こした。国際機関やNGOの緊急援助が実施され、日本でも国際協力機構(JICA)による森林火災プロジェクトを実施した。