有害物質

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解説

単に有害物質というと極めて幅広い概念といえるが、大気汚染対策、水質汚濁対策など個々の分野ではそれぞれ厳密な定義を設けて施策を進めている。

大気汚染防止法(1968)では、「物の燃焼、合成、分解その他の処理(機械的処理を除く。)に伴い発生する物質のうち、カドミウム、塩素、フッ化水素、鉛その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずる恐れがある物質で政令で定めるもの」(第2条第1項第三号、第3条第2項)とされ、政令では例示された物質のほか、カドミウム化合物、塩化水素、フッ素、フッ化ケイ素、鉛化合物、窒素酸化物が指定されている。

いずれも、工場・事業場に対して排出基準が設けられており、常時排出規制を受けている。なお、同法はこの有害物質の他に、継続的な摂取が健康を損なうおそれのある物質を「有害大気汚染物質」(第2条の第9項)と定義したうえで、対策推進につき規定している。

一方、水質汚濁防止法(1970)では「カドミウムその他の人の健康に被害を生ずるおそれのある物質で政令で定めるもの」を「有害物質」とし(第2条第2項一号、第7項)、政令で、カドミウム及びその化合物、水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物、PCB等の26項目の物質を指定している。

詳細解説

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