政府開発援助
[ セイフカイハツエンジョ ]
開発途上国の経済開発や福祉の向上を目的に、先進国政府から途上国へ流れる公的資金のうち、OECD(経済協力開発機構)の開発援助委員会の定めた以下3要件を満たすもの。(1)政府ないし政府の実施機関によって供与されるもので、(2)開発途上国の経済発展や福祉の向上に寄与することを主な目的とし、(3)資金協力については、その供与条件が開発途上国にとって重い負担とならないもの(グラントエレメントが25%以上)である。なお、ODAには無償資金協力、技術協力、国連諸機関・国際金融機関などへの出資・拠出、条件の緩い政府借款を含む。
日本のODAによる環境協力は、1989年のアルシュ・サミットにおいて「1989年より1991年までの3年間に環境分野のODAを3,000億円を目途」とすると表明したことから意識的な努力が行われるようになった(実績4,075億円)。1992年6月の国連環境開発会議(UNCED)においては1992年度から5年間で9,000億円から1兆円という目標を発表した(実績1兆4,400億円)。
日本のODAにおける環境協力の重視は、1992年に閣議決定されたODA大綱や、1997年のUNGASS(United Nations General Assembly Special Session to Review and Appraise the Implementation of Agenda 21, June 23-27)での総理演説『21世紀に向けた環境開発支援構想(ISD構想)』、1999年公表の『政府開発援助に関する中期政策』においても示された。また、2003年8月29日の閣議決定で11年ぶりに改正されたODA大綱では、環境は重点課題である地球的規模の問題のひとつとされ、環境と開発の両立が引き続き「援助実施の原則」の第1番目に位置づけられている。