強靭化
[ キョウジンカ ]
比較的最近になり、防災分野や環境分野で想定外の事態に対し社会や組織が機能を速やかに回復する強靭さを意味する用語として使われるようになった概念。一般用語としては、「困難などに負けない」「困難などに遭遇した時に回復・復元する」という意味をもつが、心理学などの分野ではストレス・逆境に遭遇した時の克服力を指す用語として使われてきた。レジリエンスを高める方策として特に重視されるのは、「リスク監視」「情報通信技術」「防災・減災技術」「心理・衛生面での対応」などである。
環境に直接関わるレジリエンスとして注目されるようになったのは、気候変動レジリエンスと生態学的レジリエンスである。気候変動レジリエンスは、自然災害一般への対応に共通する側面をもちながらも、特に地球温暖化に起因する環境変化への脆弱性の改善と中長期的な順応的管理が重視されている。生態学的レジリエンスは、自然界に備わる自然生態系の復元力・弾力性等に代表される環境の安定性を指し、生態学的レジリエンスを低下させる、人間活動の拡大に伴う生息地の分断化・縮小化や富栄養化に着目されることが多い。(2017年11月作成)