廃食用油

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解説

てんぷら油など食用油の使用後の油を廃食用油という。

これを生活排水として公共用水域に排出すると水質が汚濁する。そこで水質浄化及び資源の業務再利用の面から、廃食用油を回収・再生し、飼料、塗料、石けん等の原料として有効利用される。

特に苛性ソーダと反応させて作る石けんは 水質汚濁の進んだ千葉県手賀沼や琵琶湖などで市民運動としての広がりを見せてきた。

近年は、廃食用油のメチルエステル化による軽油代替燃料としての研究開発・実用化なども進んできている。廃食用油によるディーゼルエンジン燃料(バイオディーゼル燃料、BDF)は、排気ガス中にSOxが発生せず、CO2や黒煙も軽油より少ないことに加え、植物起源の原料(=バイオマス)であることから、カーボンニュートラルとみなせ、地球温暖化対策としても注目を集める。

さらに、地場の菜の花などから搾油した食用油を消費し、廃棄時に回収・再利用(燃料化等)することで地域における資源循環を具現化する運動も盛んになっている。菜の花によるこうした取り組みは「菜の花プロジェクト」と呼ばれる。

詳細解説

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