多頭飼育問題
[ タトウシイクモンダイ ]
多数の動物(ペット)を飼育しているなかで、適切な飼育管理ができないことにより、3つの影響(?飼い主の生活状況の悪化、?動物の状態の悪化、?周辺の生活環境の悪化)が生じることを「多頭飼育問題」と言う。この結果、無秩序にペットが増え、飼い主が適正に飼育できる数を超えて経済的にも破綻し、ペットの飼育ができなくなる状況を一般的に「多頭飼育崩壊」と言う。
2019(令和元)年度に環境省が実施した全国自治体へのアンケート調査によれば2018(平成30)年度には年間2000件以上の多頭飼育に関する苦情があった。多頭飼育問題の背景には、飼い主の経済的困窮や社会的孤立による生活困窮等の問題があり、社会福祉的な支援を必要とする飼い主が多いこと、再発リスクが高く、根本的な解決のためには動物への対処のみならず飼い主に働きかける必要がある。このため、行政等の取り組みに向けた指針として「人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン-社会福祉と動物愛護管理の多機関連携に向けて-」が策定された。また、動物愛護管理法改正(2019(令和元)年)により、ペットがみだりに繁殖して適正に飼育することが困難になるおそれがある場合、不妊去勢手術等により繁殖防止をすることが義務化された。(2023年3月作成)