地域個体群
[ チイキコタイグン ]
地域性に着目して特定される個体群。
移動能力のそれほど大きくない生物は、同じ種でも地域によって遺伝的特性や生態的特性が異なることが多く、種を単位とする把握では十分でない場合がある。このような場合に、地域個体群という概念が用いられる(例:紀伊半島のツキノワグマ地域個体群)。
環境省のレッドデータブックでは、原則的には種を単位として絶滅の危険性を検討しているが、一部の種については生物地理学的な重要性の観点から「絶滅のおそれのある地域個体群(LP)」として絶滅の危険を指摘している。
また、鳥獣保護管理法(2002)は、野生鳥獣による農林業被害の増加などに対処するため「特定計画制度」を設けている(法1条の3)が、この計画は地域個体群を単位として策定されることになっている。(2016年3月改訂)