土壌汚染
[ ドジョウオセン ]
典型7公害のひとつ。特に、蓄積性を有する(ストック汚染)という点で、他の公害とは異なる特性を持つ。
富山県の神通川流域や群馬県の渡良瀬川流域で、鉱山や精練所からの重金属が原因となる農用地の土壌汚染が問題となった。1960年代から1970年代には、水銀やカドミウム、六価クロムなどの重金属やPCBなどの化学物質による公害が発生し、人間や動物の健康を害し、草木が枯れるなど、大きな社会問題となった。
また近年は、IC基盤や電子部品の洗浄、金属部品の前処理洗浄、ドライクリーニングなどに多く用いられてきた揮発性有機化合物(VOC)による土壌や地下水の汚染も問題視されている。
汚染された土壌を浄化・回復するには多大なコストを要するため、未然防止が重要となる。土壌汚染関連の法制度としては、1971年に農用地の土壌の汚染防止等に関する法律の制定、1991年の土壌環境基準や1997年の地下水環境基準の設定を経て、2002年に土壌汚染対策法が制定された。