国際環境法

[ コクサイカンキョウホウ ]

解説

環境保全や汚染防止などを目的とする、国際社会における各主体の行動に関する法的規範となるもの。多数国間の条約や二国間の協定のほか、慣習法も含まれる。近年は、条約に基づいてより細かな規定を定める議定書などを採択し、締約国の批准を経て発効し、国際ルール化して対策を強化するケースも増えてきている(ウィーン条約のモントリオール議定書や、気候変動枠組条約の京都議定書など)。これらの議定書や国際会議における宣言なども含めて、国際環境法とみなすことが多い。

国際環境法は、科学技術の進展と経済活動のグローバル化に伴い、国家間の環境紛争が多発したことを背景に整備されてきた。生物資源をめぐる国際紛争はすでに19世紀末に米英間で起こったベーリング海オットセイ事件(1893年仲裁判決)などにみられる。また、工場ばい煙の越境大気汚染をめぐっては、20世紀前半に米加間のトレイル溶鉱所事件(1941年最終判決)が有名。1972年の国連人間環境会議では、国際環境法の適用を求める人間環境宣言が採択され、また同時に国連の環境活動を総合的に調整するUNEP(国連環境計画)が設立された。

その20年後の1992年に開催された国連環境開発会議ではリオ宣言とその行動計画であるアジェンダ21が採択され、また生物多様性条約や気候変動枠組条約、森林原則声明などが採択された。

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