化学物質と環境
[ カガクブッシツトカンキョウ ]
通称「黒本」と呼ばれる、化学物質の環境調査結果をまとめて公表する環境省の年次報告書。
現在の社会では数多くの化学物質が広範に用いられており、近年ますますその種類・量とも増えてきている。これらの中には環境中に放出され人の健康や生態系に有害な影響を及ぼすものがあることから、環境省環境安全課では、1978年より一般環境中における有害化学物質の残留状況等についての調査を毎年実施している。
調査の内容は、(1)化学物質環境安全性総点検調査:環境調査および底質モニタリング(底質の経年監視)、生物モニタリング(指標生物の経年監視)、(2)指定化学物質等検討調査:環境残留性調査と、暴露経路調査(一般大気や室内空気、食事など日常生活において人がさらされている媒体別の化学物質量に関する調査)、(3)有機スズ化合物に関する環境調査、(4)非意図的生成化学物質汚染実態追跡調査。この他、分析法開発などの関連調査結果や化学物質対策の国際的動向などについても掲載されている。