使用済み電池

[ シヨウズミデンチ ]

解説

役割を終えて廃棄処分される電池のこと。一般家庭等から排出され一般ごみとして扱われるものを「使用済み電池」、事業系・産業系として一括して排出される場合に「廃電池」と呼ぶことが多い。

電池は、自然エネルギーや化学エネルギーを電気エネルギーに変換する装置で、単に「電池」といった場合には化学電池を指す。化学電池は、使い切りの一次電池と充電式の二次電池に大別され、また化学電池以外の電池として、物理電池がある(光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池は物理電池の一種)。なお、燃料電池を化学電池の一部とする考えもあるが、化学反応によって電気エネルギーを発電させる装置(発電装置)であり、電池本体に電気エネルギーを蓄える、いわゆる従前の化学電池とは区別することが多い。

一次電池には、円筒形のマンガン電池・アルカリ電池・リチウム電池、ボタン形のアルカリボタン電池・酸化銀電池・空気(亜鉛)電池などの乾電池があり、二次電池には、ニカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池・小形シール鉛電池などの小形充電式電池のほか、自動車用の鉛蓄電池や産業用のニカド電池・鉛蓄電池がある。

ポータブル機器の普及や家電製品の小型化などに伴って電池の需要は年々増えているが、電池の各極には鉛、カドミウムなど有害金属を使用するものがあり、適正な処理を必要とする。かつて優れた特性ゆえに広く用いられてきた水銀含有電池は、環境影響への配慮から使用が廃止され、国内においては乾電池の無水銀化やボタン形水銀電池の代替電池への転換などが実施されている。また、鉛蓄電池は、廃棄物処理法に基づく「必要措置要求物」として、蓄電池メーカーなど事業者に対して適正な措置が求められ、国内の蓄電池メーカーによる自主取組でリサイクルが進められている。

また、資源の有効な再利用の観点から、回収・再利用等のシステムが整備されている。年間約5万7千トン発生していると推計される使用済み乾電池(2005年、社団法人電池工業会)は、ほとんどが一般廃棄物として自治体によって回収・処理されている。資源化施設で亜鉛や鉄などが再資源化されているが、不燃ごみや焼却後の焼却灰として埋立処分されるものもあり、資源の有効な活用のための処理方法等の研究が続いている。

小形二次電池については、資源有効利用促進法の施行により、電池製造メーカーおよび機器製造メーカーによる使用済み小形二次電池の自主回収及び電池種別に4種類のリサイクルマーク表示が義務化されている。

詳細解説

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