二酸化窒素

[ ニサンカチッソ ]

解説

窒素の酸化物で赤褐色の気体。分子量46.01、融点-9.3℃、沸点21.3℃。代表的な『大気汚染物質』である。

発生源はボイラーなどの『固定発生源』や自動車などの『移動発生源』のような燃焼過程、硝酸製造等の工程などがある。

燃焼過程からはほとんどが一酸化窒素として排出され、大気中で二酸化窒素に酸化される。

また、生物活動に由来する自然発生がある。地球規模では二酸化窒素のほとんどが生物活動から発生している。

人の健康影響については、二酸化窒素濃度とせき・たんの有症率との関連や、高濃度では急性呼吸器疾罹患率の増加などが知られている。このため二酸化窒素の環境基準は「1日平均値が0.04-0.06ppmの範囲内またはそれ以下であること、またゾーン内にある地域については原則として現状程度の水準を維持しまたはこれを大きく上回らないこと」としている。

汚染状況について、年平均値は長期的にはほぼ横ばいの状況が続いている。平成13年度の環境基準達成率は『一般環境大気測定局』で99.0%とほぼ達成されているが、『自動車排出ガス測定局』で79.4%と特に大都市などの自動車排出ガス測定局においては、厳しい状況が続いている。二酸化窒素そのものが大気汚染物質であるが、『光化学オキシダント』の原因物質でもある。

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