世界遺産条約

[ セカイイサンジョウヤク ]

解説

1972年の第17回ユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」の略称。人類にとって普遍的な価値を有する世界の文化遺産、自然遺産を、特定の国や民族のものとしてだけでなく、人類のかけがえのない財産として、各国が協力して守っていくことを目的としている。1975年に発効しており、2024年1月現在の締約国数は195か国(日本は、1992年に加入)。

締約国は、登録候補地を「世界遺産委員会」に申請し、世界遺産として相応しいと認定されると「世界遺産リスト」に登録される。また、途上国の世界遺産の保全のため、先進国などの拠出金による世界遺産基金が設立されている。

日本では、世界遺産の登録について、世界遺産条約関係省庁連絡会議において政府としての推薦を決定した後、外務省を通じ、UNESCO(国連教育科学文化機関)世界遺産センターへ推薦書が提出される。その後、世界遺産委員会において、世界遺産一覧表(世界遺産リスト)への登録の可否が決定される。

世界遺産は、「文化遺産」、「自然遺産」、「複合遺産」に分類されており、2024年1月現在、世界遺産リストに登録された文化遺産は933、自然遺産は227、複合遺産は39の総計1,199件。

日本では、文化遺産として、(1)法隆寺地域の仏教建造物、(2)姫路城、(3)古都京都の文化財、(4)白川郷・五箇山の合掌造り集落、(5)原爆ドーム、(6)巌島神社、(7)古都奈良の文化財、(8)日光の社寺、(9)琉球王国のグスク及び関連遺跡群、(10)紀伊山地の霊場と参詣道(通称:熊野古道)、(11)石見銀山遺跡とその文化的景観、(12)平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―、(13)富士山―信仰の対象と芸術の源泉―、(14)富岡製糸場と絹産業遺産群、(15)明治日本の産業革命遺産―製鉄・製鋼、造船、石炭産業―、(16)ル・コルビュジエの建築作品―近代建築への顕著な貢献―、(17)「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群、(18)長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産、(19)百舌鳥・古市古墳群、(20)北海道・北東北の縄文遺跡群 の20件、また自然遺産として、(1)屋久島(鹿児島県)、(2)白神山地(青森県・秋田県)、(3)知床(北海道)、(4)小笠原諸島(東京都)、(5)奄美大島・徳之島(鹿児島県)及び沖縄島北部・西表島(沖縄県)の5件が登録されている。(2024年3月改定)

詳細解説

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