下草刈り

[ シタクサガリ ]

解説

植栽した造林木の生育の支障となる草本、潅木、萌芽、ササ類、シダ類などを刈り払うこと。林業用語。一般に、「下草刈り」とも言われるが、林床の草木を総じて刈り払う作業であり、農林業の世界では「下刈り」と呼ぶのが正式な用法。

アジアモンスーン気候に属する日本では、夏季におけるこれら植生の繁殖は極めて旺盛なため、造林木がこれら植生の上に出るまでの間(植栽後6-8年間)毎年実施することが必要である。他方、米国、欧州、ニュージーランドなどでは気候、植生の関係から下刈りの回数が少なくて済み、日本の林業の収益性の面での弱点のひとつとなっている。また、草本や萌芽の伸長成長の最盛期直前に作業を終えることが効果的であり、7月中旬に完了することが必要で、炎天下での重労働となる。下刈り労働の省力化は大きな課題であり、密植による早期林冠閉鎖、ネット被覆による植生の抑制、複層林化による植生の抑制や作業適期の弾力化といった取組みが進められている。

詳細解説

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