ワンヘルス
[ ワンヘルス ]
人の健康、動物の健康及び環境の健全性の確保はそれぞれ独立して扱うのではなく、相互に連携して統合的にとりくむべき課題であるとする考え方。人と自然、人と野生動物のかかわり方の見直しを考える上で注目を集めている。
WHOやFAOなどの専門家が参加した2004年の国際シンポジウムの提言「マンハッタン原則」で国際的に初めてワンヘルスの用語が示されたとされる。その後、2008年にはFAO、WHO、OIE(国際獣疫事務局)による三者合意、2012年には経済性に関する世界銀行報告、2017年には生物多様性条約事務局の生物多様性配慮組み込みの手引き作成を経て、生物多様性条約COP14(2018)はワンヘルス政策を含む統合的アプローチを生物多様性国家戦略に組み込むように締約国に求める決定を採択した。
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行を受けて、国内ではWWF ジャパンが「#ワンヘルスで守ろう、私の大切なもの」キャンペーンを主導し、2021年2月までの約1ヶ月間にワンヘルス共同宣言(生態系、動物、人の健康保護)に7400名近い賛同者を得て、ワンヘルスの早期実現を政府関係者などに働きかけている。(2021年6月作成)