ヘドロ

[ ヘドロ ]

解説

水底にたまったやわらかい泥で、汚染の進んだものをさすのが一般的。

河川、湖沼、海洋などの水底の表層では、粒子が微細で沈降性が悪く、酸素供給が不充分で腐敗が進み硫化水素臭等の悪臭を発し、陸上から流入する栄養塩過剰の汚濁物を含有する底質汚泥が堆積する場合がある。これらを指して俗にヘドロと呼んでいる。

水中の微量重金属や特定有害物質が水中の懸濁粒子に吸着し、底質に沈殿・蓄積し、魚介類を通じて人体に影響を及ぼす場合、有機物を多量に含み貧酸素状態あるいは有毒ガスを放つ場合、魚介類等の水生生物の生息環境の悪化や異臭魚発生の原因となる場合、過度の堆積により航行船舶等の港湾機能を阻害する場合などさまざまな弊害を生じる。

1970年前後、多数の製紙工場の排水が静岡県田子の浦港に流入し海底に悪臭のする黒色の汚泥が広範囲に堆積したり、熊本県水俣湾ではヘドロがメチル水銀に汚染されたりして問題化し、ヘドロ公害と呼ばれた。

これには排水規制による原因物質の流入の防止、堆積した底泥の浚渫除去、除去した底泥の処分等の総合的な対策が行われてきた。

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