バーゼル条約

[ バーゼルジョウヤク ]

解説

一定の廃棄物の国境を越える移動等の規制について国際的な枠組み及び手続等を規定した条約。

正式名称を「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」といい、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分によって生じる人の健康または環境に係る被害を防止すること目的として、1989年にスイスのバーゼルにおいて採択され、1992年5月に発効した。

条約事務局は、スイスのジュネーブにあり、2011年からロッテルダム条約、ストックホルム条約との共同事務局となっている。2023年11月現在、締約国数は189か国、EU及びパレスチナ。予算は締約国会議において決定され、バーゼル条約信託基金(通称BC基金)を設置して運営されている。締約国は、国連分担率を基に算出される分担率で事務局予算を負担している(日本の拠出率は締約国中第2位)。この他、任意拠出による技術協力信託基金(通称BD基金)があり、日本は締約国会議への途上国参加旅費、アジア太平洋地域におけるE-wasteの環境上適正な管理プロジェクト等を支援している。

日本は、リサイクル可能な廃棄物を資源として輸出入してきたことから、条約の手続に従った貿易を行うことが地球規模の環境問題への積極的な国際貢献となるとの判断の下、1993年に加盟した。国内では、同条約を実施するための「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」及び関連法として「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律」が1993年に制定された。

1995年の第3回締約国会議で、いわゆる先進国と途上国の間の廃棄物の越境移動に関する条約改正(BAN改正)が採択された。また、1999年の第5回締約国会議では、条約第12条に基づくバーゼル損害賠償責任議定書が採択され、20番目の批准書寄託者が受領した後90日目に発効することとなっている(2023年11月現在の締約国数は11か国)。(2024年3月改定)

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