バイオミミクリー

[ バイオミミクリー ]

解説

生物の形態や機能、自然の仕組みなどを模倣して、新しい技術や製品を生み出すこと。生物・生命を意味するバイオと模倣を意味するミミクリ―を合わせた造語。

人類は古代から生物の形や動きなどを模倣し、参考にして、住居、道具、食品や薬などを作り出し、科学技術を進歩させてきた。これらは大別すると、(1)生物の形態や構造を模倣した(あるいは学んだ)もの、(2)生物の動きや機能を模倣したもの、(3)生物が物質などを作り出す化学プロセスを模倣したもの、(4)生物が生活する生態系を模倣したもの、がある。トンボやハチの空中停止からヘリコプターの原理、マグロやカワセミなどからジェット機や新幹線の流線型車体、野生ゴボウの実(オナモミの仲間)から面ファスナー(マジックテープ)、蚊の口の構造から痛くない注射針など多くの身近な事例がある。

これらの中には、水玉をはじくハスの葉の構造からのヨーグルトが付着しない蓋などの撥水加工やカタツムリの殻から雨で汚れが落ちる建物外壁などによる防汚効果での水質汚濁の低減、シロアリの巣の構造から自然冷却で省エネの住宅設計、ザトウクジラのヒレなどから低騒音・低振動の風力発電機ブレード、天敵を利用した生物農薬など、環境面での貢献が期待されているものも多い。(2017年8月作成)

詳細解説

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