サーマルリサイクル
[ サーマルリサイクル ]
廃棄物を単に焼却処理するだけではなく、焼却の際に発生するエネルギーを回収・利用すること。循環型社会形成推進基本法第7条において、再使用及び再生利用に次ぐ循環的な利用として熱回収が位置付けられ、推進されている。また、2010年の廃棄物処理法改正においても、焼却時の熱利用の促進が図られている。(「ごみ焼却余熱」参照)
マテリアルリサイクルが不可能なために廃棄物を焼却した場合、その排熱を回収して利用することは、欧米では早くから一般に行われていた。戦後、日本もこれに倣って、1970年代以降徐々に清掃工場の排熱利用が普及してきた。代表的な手法に、ごみ発電やエコセメント化があるが、温水などの熱源や冷房用のエネルギーとして利用することも多い。
熱はエネルギーの移動であり、熱回収は、有機物のなかに蓄えられている化学エネルギーを熱エネルギーに変えて放出させ、特定の目的に利用することであり、しかも、その変換は物質を消滅させる方法の一つであるから、欧米では、通常、燃焼をリサイクルの概念には含めない。(2014年5月改訂)