グラスゴー気候合意
[ グラスゴーキコウゴウイ ]
2021年11月に英国・グラスゴーで開催されたCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)の成果文書。グラスゴー気候合意では、2100年の世界平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5度以内に抑える努力を追求していくことが盛り込まれた。石炭火力発電に関する記載に関しては、草案では「段階的廃止(phase-out)」という表現であったが、インド、中国の反対により「段階的に削減(phasedown)」との表現に変更された。非効率な化石燃料への補助金は「段階的に廃止(phase-out)」と明記された。緩和・適応のための資金の必要性についても強調され、特に開発途上締約国への支援を2025年までに年間 1千億米ドル以上に増やすことを完全に達成することや、あらゆる資金源から気候資金を動員する必要があることが強調された。また、全ての国が2022年に2030年までの排出目標(国が決定する貢献:NDC)を再検討し、強化することに合意している。さらに、パリ協定の実施指針(ルールブック)についても、未決定要素だった同協定6条(市場メカニズム)に関する基本的な基準について合意に達し、これによってパリ協定が完全に運用されることとなった。(2022年4月作成)