キーストーン種

[ キーストーンシュ ]

解説

生態系において、個体数が少なくとも、その種が属する生物群集や生態系に及ぼす影響が大きい種を、キーストーン種という。古代ローマの石橋には、石組を安定させるために橋のアーチの頂上に小さい楔(くさび)型の石がはめ込まれていた。この石は「キーストーン」と呼ばれ、橋全体から見ると小さな部品に過ぎないが、これが外れると石橋全体が崩壊してしまうことから、重要視される。これに例えて名付けられた概念のこと。

例えば、ラッコは大量のウニを消費するためウニの増殖は抑えられるが、ラッコがいなくなるとウニ個体群が大きくなり、海藻が過剰に採食され、荒廃して海底が裸地化する。その結果、海藻を採食しているウニ以外の生物も生息できなくなる。この場合のラッコがキーストーン種である。キーストーン種は食物連鎖の上位捕食者であることが多い。(2014年7月確認)

詳細解説

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