ガソリンの無鉛化
[ ガソリンノムエンカ ]
鉛(テトラアルキル鉛)はガソリンに添加するアンチノック剤として安価で効果的なことから、規制を受けるまでは広く使用されていた。日本では1970年に、新宿区牛込柳町交差点付近での鉛汚染が社会的関心を集めて、これを契機に同年7月にはJISの改正によりガソリンの低鉛化が開始された。1987年にはプレミアムガソリンも含めて世界で最も早く完全無鉛化が達成されている。
一方鉛は、排気ガスの後処理をおこなう触媒の活性を低下させる働きがある。厳しい排出ガス規制に対応するためには、ガソリンの無鉛化が前提となるので、その後の三元触媒の普及など世界的にみて先進的な日本の排出ガス対策に貢献したことになる。開発途上国の大都市のなかには現在でも自動車排出ガスによる鉛大気汚染が懸念されているところもある。